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ホームページ制作の維持費を抑えるCMS化の仕組みと費用比較

ホームページ制作の維持費を抑えるCMS化の仕組みと費用比較

「とりあえずホームページ制作なら、WordPressを入れておけば安心」と思っている方も多いと思います。

ところが、更新するのは月1、2回の新着情報(お知らせ)くらいなのに、サイト全体をWordPressで作り、毎月数万円の保守費用を払い続けている会社も少なくありません。

サイトの使い方によっては、5年間で100万円を超える維持費を見直せる場合があります。

この記事では、静的HTMLとCMSを組み合わせる「部分CMS化」について、仕組み、5年間の維持費の試算、セキュリティ上のメリット、向いている会社・向いていない会社、移行するときの注意点までを、図解を交えて解説します。

この記事の要点

  • WordPressのサイトは、ページを更新していなくても、WordPress本体・テーマ・プラグイン・サーバー環境などの保守が続く
  • 更新するのが新着情報くらいなら、ほかのページを静的HTMLで作り、CMSを使う範囲を新着情報に限定する「部分CMS化」で、保守の対象を減らせる可能性がある
  • この記事の試算では、5年間の維持費に約159万円の差が出た。ただし、初期制作費や移行費用は含まない比較用の試算
  • ブログを頻繁に増やす会社や、多人数で編集する会社には、部分CMS化は向かない。更新のしかたに合わせて構成を選ぶことが大切

 

ページを更新していなくても、WordPressに保守が必要な理由

WordPressは、データベースとPHPというプログラムを使って、アクセスのたびにページを組み立てて表示する仕組みです。
記事を1本も更新していなくても、サイトのシステムは毎日インターネット上で動き続けています。

WordPressで作ったサイトでは、会社概要のように更新することが少ないページも、WordPress本体やテーマ、プラグインを使って表示されています。そのため、ページの中身を変えていなくても、システム全体の更新管理やバックアップといった保守が必要になります。

WordPress本体やプラグインには、ときどき弱点(脆弱性)が見つかります。
更新を止めたままにしておくと、その弱点をねらう自動プログラムに狙われ、サイトが改ざんされたり、別の怪しいサイトへ飛ばされたりするおそれがあります。
WordPressの公式サイトでも、本体・テーマ・プラグインの更新と、定期的なバックアップがすすめられています。

全ページをWordPressで作った場合の5年間の維持費(試算)

保守契約を結んでWordPressのサイトを運用した場合の、5年間の維持費を試算すると、次のようになります。

費用試算の金額内容
月額の保守・セキュリティ管理120万円から180万円月2万円から3万円 × 60か月。WordPress本体・テーマ・プラグインの更新、バックアップなど
大型の更新・トラブル対応10万円から50万円数年に一度のPHPの更新や、それに伴う表示崩れの修正。改ざんなどが起きたときの調査・復旧
サーバー代6万円から18万円PHPとデータベースが動くサーバー(月1,000円から3,000円)
5年間の合計約136万円から248万円最初の制作費は含みません

※ 本記事の金額は、一定の保守契約やサーバーの利用を想定した、比較用の試算です。
市場全体の平均価格を示すものではありません。
実際の費用は、サイトの規模や契約内容、必要な保守の範囲によって変わります。

 

「部分CMS化」とは?

「部分CMS化」とは、トップ・会社概要・事業内容といったサイトの大部分は静的HTMLで作り、更新することが多い新着情報(お知らせ)やブログだけを、CMSで更新できるようにする方法です。

静的HTMLとは、中身があらかじめ決まっているHTMLのファイルのことです。
アクセスがあっても、サーバーはファイルをそのまま届けるだけなので、そのページを表示するためにデータベースやPHPを動かす必要がありません。

全ページWordPressと部分CMS化の違いの図。全ページWordPressでは、トップ・会社概要・事業内容・新着情報のすべてが公開サーバーのWordPressで動き、サイト全体のシステムが保守の対象になる。部分CMS化では、トップ・会社概要・事業内容は静的HTMLで、新着情報だけを公開サーバーとは別に置いたCMSから届けるため、CMSが必要な範囲を新着情報に限定できる

部分CMS化で、保守の対象を減らせる理由

  • 静的なページには、更新するシステムがない:静的HTMLのページには、WordPressのような本体やプラグインがありません。システムの更新作業や、更新後の表示崩れのチェックが要らなくなります。
  • CMSを使う範囲を限定できる:CMSが必要なのは新着情報の部分だけになるので、更新管理や保守の対象を小さくできる可能性があります。その分、月額の保守契約の内容や金額を見直しやすくなります。
  • サーバーの選択肢が広がる:公開側でPHPやデータベースを動かさない構成なら、高性能なサーバーは要りません。安いプランや、静的なファイルを公開するサービスも選べます。

部分CMS化でも、保守がなくなるわけではありません

部分CMS化は、CMSを使う範囲を限定することで、保守の対象を減らせる可能性がある方法です。ただし、次のような管理まで不要になるわけではありません。

  • 新着情報に使うCMSそのものの更新や、セキュリティの管理
  • ドメイン、DNS、SSL(https)の証明書、サーバーの契約の管理
  • お問い合わせフォームやアクセス解析など、外部サービスや個別の機能の管理
  • 会社概要などを直したいときの、HTMLの修正

また、「公開するサーバーにデータベースや管理画面を置かない」というメリットは、CMSを公開サーバーとは別の場所に置く構成を選んだ場合に限ります。同じサーバーにCMSを置く場合は、そのCMSの守りも必要です。

 

5年間の維持費とセキュリティを比較(試算)

「全ページWordPress」と「部分CMS化(静的HTML+新着情報だけCMS)」の5年間の維持費と、セキュリティや表示の速さの違いを、表にまとめました。

比較項目全ページWordPress部分CMS化
5年間の保守・CMSの管理費120万円から180万円(月2万円から3万円)0円から30万円(新着情報のCMSの利用料・保守。月0円から5,000円)
大型の更新・トラブル対応・修正費10万円から50万円5万円から20万円(静的ページを直したいときの修正費など)
5年間のサーバー代6万円から18万円3万円から9万円
5年間の維持費の合計約136万円から248万円約8万円から59万円
表示の速さ構成やキャッシュの設定しだい構成やキャッシュの設定によって、改善が期待できる
セキュリティ本体・プラグイン・管理画面など、管理する対象が多い公開側で攻撃の対象になる機能を減らせる(構成による)

試算の計算の根拠

上の表のそれぞれの金額の、中間の値を使って計算すると、次のようになります。

比較項目全ページWordPress部分CMS化
月額の保守・CMSの管理費150万円15万円
大型の更新・トラブル対応・修正費30万円12万円
サーバー代12万円6万円
5年間の合計192万円33万円

5年間の維持費の比較の試算の棒グラフ。中間の値で、全ページWordPressは月額の保守150万円、大型の更新20万円、トラブル対応10万円、サーバー12万円の合計約192万円。部分CMS化は新着情報のCMS15万円、静的ページの修正12万円、サーバー6万円の合計約33万円。この試算では約159万円の差。初期制作費と移行費用は含まない

この条件での差額は約159万円です。ただし、この試算には、次の費用は含まれていません。

  • 最初のホームページ制作費
  • WordPressから部分CMS化へ移行するための費用
  • CMSの初期構築や、静的ページとの連携の費用
  • お問い合わせフォームなど、個別の機能の開発・保守の費用

これらを含めると、差額は変わります。実際に検討するときは、初期費用と5年間の維持費を合わせた金額で比べることをおすすめします。

 

「部分CMS化」を実現する2つの方法

新着情報だけをCMSにするには、主に次の2つの方法があります。

方法1:静的HTML+ヘッドレスCMS

ヘッドレスCMSとは、記事を書いて管理する機能だけを持ち、表示はほかのサイトに任せるCMSのことです。ヘッドレスCMSで書いた新着情報を、静的HTMLのページに読み込んで表示します。

当社(金風株式会社)のサイトも、この考え方で作っています。会社案内やサービスのページは静的HTMLで公開し、新着情報は自社開発のCMSから、お役立ち情報(このページ)は Drupal というオープンソースのCMSから届けています。

投稿の画面では、SNSに投稿するような感覚で文章と写真を入れるだけで、ページに反映されます。CMSを公開サーバーとは別の場所に置く構成にすれば、公開側に管理画面を置かずに済み、ログイン画面の守りに関わる負担も減らせます。

方法2:静的HTML+WordPress(新着情報だけ)

新着情報の投稿専用として、WordPressを別のフォルダ(例:/news/)や別のドメインに置き、API(WP REST API)という仕組みで、メインのサイト(静的HTML)にお知らせを表示させる方法です。

現場のスタッフが「使い慣れたWordPressの投稿画面」をそのまま使えるのがメリットです。ただし、WordPressを使う以上、本体やプラグインの更新は必要です。管理画面に入れる場所を絞る、二段階認証を入れるといった守りも合わせて行いましょう。

比較項目方法1:ヘッドレスCMS方法2:新着情報だけWordPress
保守の手間CMSの種類や置き方による。比較的少なくしやすいWordPressの更新が必要(範囲は小さい)
投稿画面の使いやすさシンプルで覚えやすいものが多いWordPressに慣れている人には使いやすい
セキュリティ公開側に管理画面を置かない構成にしやすい管理画面の守り(入口の制限・二段階認証)が必要
向いている会社維持費と管理の負担を、できるだけ抑えたいすでにWordPressに慣れたスタッフがいる

 

自社サイト診断!あなたの会社に合う構成は?

あなたの会社のホームページに、全ページWordPressが必要かどうかを判定するチェックです。

あなたの会社に合うのはどれかを判定する図。ブログや事例など新しいページを毎週から毎月何本も増やすなら全ページCMS。更新するのが新着情報など決まった場所だけで月1、2回ほどなら部分CMS化。ほとんど更新しないなら静的HTMLだけで十分

  • ブログや事例など、毎週から毎月、新しいページを何本も増やしている 
    → 全ページCMS(WordPressなど)が向いています
  • 更新するのは「年に数回の会社概要の変更」と「月1、2回の新着情報」だけ 
    → 部分CMS化で、維持費を抑えやすい構成です
  • そもそも、1年を通してほとんど更新する予定がない 
    → CMSを使わず、静的HTMLだけでも運用できます

「何となくWordPressにしている」という場合は、この1年で「どのページを」「何回」更新したかを数えてみると、答えが見えてきます。

部分CMS化が向いていないケース

次のような会社には、部分CMS化より、全ページをCMSで管理する構成のほうが向いています。

  • ブログや導入事例を、頻繁に追加している
  • 多人数で記事を編集し、承認の流れを決めて公開している
  • サイト内の検索や会員機能など、動的な仕組みが多い
  • 社内の担当者が、多くのページを自由に編集したい

 

部分CMS化へ移行するときに確認すること

今のWordPressのサイトから部分CMS化へ切り替える場合は、次の点を確認しておくと安心です。

確認すること理由
今のページのURLを、そのまま使えるかURLが変わると、検索の評価や外部からのリンクが途切れることがある。変える場合は転送(301リダイレクト)を設定する
タイトル・説明文(メタディスクリプション)・構造化データを引き継げるか検索結果での見え方を、移行前と同じように保つため
XMLサイトマップや canonical を正しく設定できるか検索エンジンに、新しいサイトの構成を正しく伝えるため
お問い合わせフォームやアクセス解析が正常に動くかWordPressのプラグインで動いていた機能は、別の仕組みに置き換える必要がある
CMSのバックアップや更新の管理を、誰がどうするか部分CMS化でも、CMSの管理は残るため

なお、URLを変えずに移行することは検索の評価を保つうえで有効ですが、移行後の順位を保証するものではありません。移行後しばらくは、Search Consoleでエラーや順位の変化を確認しましょう。

 

制作会社に相談するときの伝え方

これからホームページの制作やリニューアルを考えている方は、見積もりを取るときに、制作会社へ次のように伝えてみてください。

「新着情報しか更新しないので、全体は静的HTMLで作って、新着情報だけを部分的にCMS化(またはヘッドレスCMS化)したプランの見積もりも出していただけますか?」

全ページWordPressのプランと並べて、初期費用と5年間の維持費を合わせた金額で比べると、違いがはっきり分かります。あわせて、次の点も確認しておくと安心です。

  • 毎月の保守費に何が含まれているか(更新作業・バックアップ・トラブル対応)
  • 会社概要などを直したいとき、1回いくらで頼めるか
  • 新着情報のCMSを使うのに、月額の費用がかかるか
  • CMSをどこに置くか(公開サーバーと同じか、別の場所か)

 

よくある質問

Q. 今のWordPressのサイトから、部分CMS化に切り替えられますか?

できます。今のページの内容をもとに静的HTMLのページを作り、新着情報だけをCMSに移す形です。
移行するときは、上の「移行するときに確認すること」を参考に、URLや検索まわりの設定を引き継ぐようにしてください。

Q. 静的HTMLのサイトは、SEO(検索)に不利になりませんか?

不利にはなりません。静的HTMLは、検索エンジンが内容を読み取りやすい形でページを届けられる構成の1つです。
ただし、静的HTMLにするだけで検索順位が上がるわけではありません。
ページの内容や、タイトル・見出し・内部リンクの設計など、基本のSEO対策は同じように必要です。

Q. 会社概要の文章を自分で直したくなったら、どうすればいいですか?

年に数回であれば、制作会社に修正を頼むのが手軽です。
自分で直したいページが増えてきたら、そのページもCMSで更新できるようにする、という段階的な広げ方もできます。

Q. WordPressは危ないので、使わないほうがいいのですか?

そうではありません。WordPressはとても便利なCMSで、ブログや事例を頻繁に増やすサイトには向いています。
大切なのは、きちんと保守を続けることと、自社の更新のしかたに合った構成を選ぶことです。

 

まとめ:更新のしかたに合わせて、サイトの構成と維持費を見直す

「ホームページは全部WordPressで作るもの」と決めてしまう前に、自社のサイトをどう更新しているかを一度振り返ってみてください。

  • WordPressのサイトは、ページを更新していなくても、本体・テーマ・プラグインなどの保守が続く
  • 更新するのが新着情報くらいなら、部分CMS化でCMSを使う範囲を限定し、保守の対象を減らせる可能性がある
  • この記事の試算では、5年間の維持費に約159万円の差が出た。実際に比べるときは、初期費用と移行費用も含めて検討する
  • ブログを頻繁に増やす、多人数で編集するといった会社は、全ページCMSのほうが向いている

見直しで浮いた費用は、写真や文章の改善、広告、新しいサービスのページづくりなど、売上につながるところに回すことができます。

金風株式会社では、静的HTMLとCMSを組み合わせたホームページ制作から、公開後の運用までお手伝いしています。
「今のサイトの保守費が高い気がする」「部分CMS化にすると、初期費用と維持費がいくらになるか知りたい」といったご相談も承ります。

 

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参考資料

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