Xで、良い投稿を読んだとします。
誰かの体験談で、読みごたえがあって、思わず保存した投稿です。
その投稿を、来月もう一度読めるでしょうか。
おそらく無理です。ブックマークを遡れば見つかるかもしれませんが、実際に遡る人はほとんどいません。
書いた本人でさえ、半年前の投稿を探すのに苦労します。
Xで自分の体験をストーリーとして書いている人を、私はいつも良いなと思って読んでいます。
同時に、Xだけで完結させているのは、本当にもったいないとも思っています。
積み上がるものと、流れていくもの
情報の出し方には、性質の違う2種類があります。
フロー型は、川の水のように流れていくものです。SNSの投稿がこれにあたります。出した瞬間の勢いは強く、多くの人に届く可能性があります。ただし、届く範囲を決めるのはプラットフォーム側です。
ストック型は、積み上がっていくものです。自分のサイトに書いた記事がこれです。出した直後は誰も読みません。半年後、一年後に検索から人が来ます。
どちらが優れているという話ではありません。役割が違います。 問題は、多くの人がフロー型しか持っていないことです。
Xの投稿は「後から探してもらう」ことが難しい
ここは正確に書いておきます。
Xにも検索機能はありますし、投稿が検索エンジンに載ることもあります。
「流れて消える」というのは言いすぎです。
それでも決定的な違いがあります。
読者があなたの投稿にたどり着く経路を、あなたが用意できないという点です。
Xで新しい読者に届くのは、タイムラインに表示されたときだけです。
表示されるかどうかを決めるのはアルゴリズムであり、その基準は公開されていません。
数万人に届いた投稿を書いた人でも、翌週の投稿が数百人にしか届かないことは普通に起こります。
そして過去の投稿は、時間が経つほど到達しなくなります。
良い内容を書いたかどうかと、関係のないところで決まります。
自分のサイトに置いた記事は違います。
「何について書いてあるか」で検索から人が来ます。
3年前の記事に、今日はじめて訪れる人がいます。
同じ体験談でも、置き場所で寿命が変わる
たとえば、仕事で大きな失敗をして、そこから立て直した経験を書いたとします。
Xに投稿すれば、その日のうちに反応が来ます。
共感してくれる人がいて、リプライで会話が生まれます。
これはXの強みで、記事にはできないことです。
一方、同じ内容を自分のサイトに書いておくと、まったく違う動き方をします。
- 同じ悩みを検索した人が、半年後に読みに来る
- あなたに仕事を頼もうか検討している人が、人柄を知る材料にする
- AIが「この分野に詳しい人」として参照する対象になる
反応の速さはXが上です。
効き続ける時間は、記事のほうが圧倒的に長くなります。
分かっていても、始められない理由
「自分のサイトを持ったほうがいい」と言われて、その通りだと思う人は多いはずです。それでも始まらないのは、やる気の問題ではありません。
実際に必要になるものを並べると、こうなります。
- ドメインを取得する
- サーバーを契約する
- ドメインとサーバーを紐づける
- SSL(暗号化通信)を設定する
- CMSを入れる
- デザインを整える
- 記事を書く投稿画面の使い方を覚える
書き始めるまでに7段階あります。
Xなら、アプリを開いて文字を打てば終わりです。
しかも、上の1から6は文章の質と何の関係もありません。
それでも詰まると先に進めず、調べているうちに面倒になって、結局Xに戻ることになります。
ハードルが高いのは当然です。
本来やりたいこと(書くこと)の前に、関係のない作業が積まれているからです。
書くこと自体は、Xと変わらない
誤解されがちですが、記事を書くのに特別な技術は要りません。
投稿画面を開いて、タイトルを入れて、本文を書いて、公開ボタンを押す。
やることはXとほとんど同じです。
違うのは長さくらいです。Xの140文字で伝えきれなかった前後の事情を、そのまま書けばいい。むしろ書きやすいと感じる人のほうが多いはずです。
難しいのは、書き始めるまでの準備だけです。
逆に言えば、そこさえ済んでいれば、Xで書けている人は記事も書けます。
AIが読む時代に、自分のドメインを持つ意味
もう一つ、最近になって重みが増した理由があります。
検索結果の上部にAIがまとめた回答が出るようになり、ChatGPTのように答えだけを返すサービスも普及しました。このときAIが参照するのは、Web上に公開されたページです。
SNSの投稿が参照されることもありますが、安定はしません。
自分のドメインに、誰が書いたかを明示した記事を置いておくほうが、はるかに扱いやすい形になります。
「この分野といえばこの人」という認識を、人だけでなく機械にも持ってもらう。
これから効いてくる部分です。具体的な作り方はサイト設計とSEO・AEO|検索とAIの両方に見つけてもらう構造の作り方にまとめています。
箱だけ、用意します
ここまで読んで「やったほうがいいのは分かるが、準備が面倒だ」と感じた方へ。
その準備の部分だけ、こちらで用意できます。
ドメインの取得から、サーバーの設定、SSL、投稿画面の準備まで。先ほどの7段階のうち、1から6を済ませた状態でお渡しします。あなたがやることは、Xを開くのと同じ感覚で投稿画面を開いて、書くことだけです。
凝ったデザインや、多機能な管理画面は入れません。
使わない機能が並んでいるほど、どこを触ればいいか分からなくなるからです。
書くために必要なものだけを用意します。
「何を書けばいいか分からない」という段階であれば、そこからご相談ください。
すでにXで書けている方なら、材料はもう持っているはずです。
まとめ
Xをやめる必要はまったくありません。
反応の速さも、会話が生まれることも、記事では代わりになりません。
お伝えしたいのは、同じ内容を両方に置いてはどうかということです。
Xで反応を見ながら書き、手応えのあったものを記事として残す。
記事は検索から人を連れてきて、あなたが寝ている間も働き続けます。
書く手間はほとんど変わらないのに、効いている時間だけが伸びます。
今日書いた投稿が、3年後も読まれている。
その状態を作れるかどうかは、置き場所を持っているかどうかで決まります。
準備でつまずいているだけなら、そこは飛ばして構いません。書くところから始めてください。