Googleで会社名を検索したとき、検索結果に自社のXなどのSNS投稿が表示されることがあります。
僕自身、金風株式会社の検索結果で、会社に関する情報だけでなく、私が運営しているXアカウントの投稿が表示される状態を確認しました。
「なぜ会社の検索結果に、このSNSアカウントの投稿が表示されるのか?」
スマートフォン(iPhone)でGoogle検索した場合の検索結果表示

ここには、単純なキーワード一致だけでは説明できない、Webサイト・会社・人物・SNSなどの情報を結び付けて理解する仕組みが関係していると考えられます。
この記事では、実際に自社で確認した事例をもとに、Google検索における会社とSNSのつながりを、Web制作者の視点から整理します。
まず、実際に起きたこと
金風株式会社の検索結果を確認していると、会社のWebサイトだけではなく、私が運営しているXアカウントの投稿が表示されるようになりました。
つまり、Google検索の中で、
- 金風株式会社
- 代表者である廣瀬武志
- Xのアカウント
- 金風株式会社のWebサイト
といった複数の情報が、何らかの関係性を持つ情報として扱われていると考えられます。
ただし、ここで注意したいのは、「この設定をしたから、必ずSNS投稿が検索結果に表示される」とは言えないことです。
Googleは検索結果を生成するために、Web上のさまざまな情報を利用しています。そのため、構造化データやプロフィール情報は重要な手掛かりになりますが、それだけで表示を保証できるものではありません。
Googleに「同じ存在」だと理解してもらう
Webサイトを作るとき、私たちはつい「ページを検索上位に表示する」ことだけを考えがちです。
しかし、企業サイトではもう一つ重要な考え方があります。
それが、「このWebサイトは誰のものなのか」を明確にすることです。
たとえば、次の情報が存在するとします。
- 金風株式会社の公式Webサイト
- Googleビジネスプロフィール
- Xの公式アカウント
- Instagramの公式アカウント
- Facebookページ
- 代表者のプロフィール
人間が見れば、同じ会社に関係する情報だと簡単に判断できます。
しかし、検索エンジンから見れば、それぞれ別のWebページやサービスです。
そこで重要になるのが、それぞれの情報を正しく関連付けるための情報設計です。
構造化データで会社とSNSの関係を示す
企業サイトでは、JSON-LDによる構造化データを利用して、会社に関する情報を機械可読な形で記述できます。
例えば、会社の公式WebサイトとSNSの関係を示す方法の一つが、sameAsです。
{ "@context": "https://schema.org", "@type": "Organization", "name": "金風株式会社", "url": "https://kinfuu.co.jp/", "sameAs": [ "https://x.com/takeshi_logs", "https://www.threads.com/@htakeshi728/", "https://www.facebook.com/hirose.webmaster", "https://www.instagram.com/htakeshi728/" ] }
これは、「この会社について、これらの外部プロフィールも関連する情報として扱っている」という関係を明示するためのデータです。
ただし、sameAsを設定すれば必ずSNS投稿が検索結果に表示される、という意味ではありません。
構造化データは、検索エンジンがページの内容や関係性を理解するための手掛かりの一つとして考えるべきです。
構造化データの具体的な実装方法は、構造化データでサイト全体をつなぐ|DrupalでJSON-LDを実装した方法と考え方にまとめています。
GoogleビジネスプロフィールにもSNSを登録する
Googleビジネスプロフィールでは、X、Instagram、Facebook、LinkedIn、TikTok、YouTubeなどのソーシャルプロフィールを登録できます。
Googleの公式ヘルプでも、ビジネスプロフィールにソーシャルメディアのリンクを追加できることが案内されています。
つまり、企業の情報を整理するときには、Webサイトだけを見るのではなく、GoogleビジネスプロフィールやSNSも含めて、情報の整合性を確認することが重要です。
例えば、
- 会社名
- Webサイト
- 住所
- 電話番号
- SNSアカウント
- 営業時間
といった基本情報が媒体ごとにバラバラになっていないかを確認します。
Googleはビジネスプロフィールの情報だけではなく、さまざまな情報源を組み合わせてビジネス情報を提供しています。
重要なのは「設定」だけではない
ここは、SEOやAEOを考えるうえで非常に重要なポイントです。
構造化データを書けば終わり、という話ではありません。
例えばWebサイトでは「金風株式会社」と書いているのに、SNSでは別の名称を使っている。
Webサイトには会社の公式Xへのリンクがない。
Googleビジネスプロフィールには古い電話番号が残っている。
SNSのプロフィールに会社との関係が書かれていない。
このように情報がバラバラになっていると、せっかく構造化データを設定しても、情報全体としての一貫性を作りにくくなります。
検索エンジンに伝える情報を、一つのサイトだけで完結させない。
これが、これからのWebサイト設計では重要になると考えています。
SNSは「Webサイトへの集客経路」だけではない
これまでSNSは、Webサイトへアクセスを送るための「集客チャネル」として考えられることが多くありました。
もちろん、それは今でも重要です。
しかし、現在はそれだけではありません。
SNSそのものが検索結果に表示され、ユーザーがSNS上の情報を直接見ることがあります。
つまり、
Webサイト → SNSへ送る
だけではなく、
Webサイト・SNS・Google検索を含めて、一つの情報発信基盤として考える
必要があります。
SNSとWebサイトの役割分担については、Xだけで書くのはもったいない|流れる投稿を、残る記事に変えるでも書いています。
Search Consoleにも変化が起きている
この考え方をさらに象徴するのが、Google Search Consoleの「Platform properties」です。
Googleは2026年7月29日、Platform propertiesを全世界で利用可能にしたと発表しました。
これにより、Instagram、TikTok、X、YouTubeなどのソーシャル・動画コンテンツについて、Google検索、Discover、Googleニュース上でのパフォーマンスを確認できるようになっています。
これはWebサイトだけを見てSEOを考えるのではなく、Google上で企業や発信者のコンテンツがどのように発見されているのかを、媒体横断で考える必要が出てきたということです。
「エンティティ」という考え方
ここで出てくるのが「エンティティ」という考え方です。
簡単に言えば、Webページやキーワードだけを見るのではなく、
- この会社は何なのか
- 誰が運営しているのか
- どこにある会社なのか
- 何を提供しているのか
- 公式サイトはどれなのか
- 公式SNSはどれなのか
といった「実体」と、その実体に関係する情報を整理して考える方法です。
Webサイトに会社情報を書くだけではなく、Googleビジネスプロフィール、SNS、外部サイトなどに存在する情報との関係まで考える必要があります。
では、他社でも同じことができるのか?
ここがWeb制作会社として重要なところです。
私は、同じ条件を整えることはできても、同じ検索結果を保証することはできないと考えています。
検索結果に表示される内容はGoogleが決めるものだからです。
そのため、「この設定をすればSNSの最新投稿が必ず表示されます」と提案するのではなく、
- 会社情報を整理する
- Webサイトと外部プロフィールの関係を明確にする
- 構造化データを適切に実装する
- Googleビジネスプロフィールを正確に管理する
- SNSのプロフィール情報を整える
- 継続的に情報を発信する
- Search Consoleなどで実際の検索結果を確認する
という順番で考えるべきです。
ノーコードか、カスタム制作かという話だけではない
この話をすると、「WordPressならできるのか」「STUDIOではできないのか」といったツールの比較に流れがちです。
しかし、本質はそこではありません。
重要なのは、そのWebサイトで、検索エンジンに何をどう伝えるのかを設計できるかです。
使っているCMSが何であっても、適切に設定できる部分はあります。
一方で、構造化データやHTML、サイト構造などを細かく設計する必要がある案件では、自由度の高い構成の方が対応しやすい場合があります。
つまり、「このCMSだからSEOに強い」という単純な話ではなく、目的に合わせて情報構造を設計できるかが重要です。
金風株式会社で考えていること
僕がWeb制作で重視しているのは、ページを作ることだけではありません。
会社情報、サービス情報、記事、SNSなど、企業が持っている情報を整理し、それぞれの媒体で正しく伝えられる状態を作ることです。
そのため、Webサイトの構造化データだけを見るのではなく、
- Webサイト
- Google検索
- Googleビジネスプロフィール
- SNS
- Search Console
- 構造化データ
を一つの情報発信の仕組みとして考えています。
Google検索で実際に自社のSNS投稿が表示されたことも、その考え方が実際の検索結果にどう現れるのかを確認する、ひとつの事例になりました。
情報を一箇所で管理して各媒体へ配信する仕組みは、WebサイトとSNSの情報がバラバラになる問題|情報を一元管理してAPIで配信する仕組みで詳しく説明しています。
まとめ
Google検索に会社のSNS投稿が表示されたからといって、「この設定をしたから表示された」と単純に説明することはできません。
しかし、Webサイト、会社情報、Googleビジネスプロフィール、SNSなどの情報を同じ事業者・同じ発信者に関係する情報として整理することには意味があります。
構造化データのsameAs、Googleビジネスプロフィールのソーシャルリンク、各プロフィールの情報整合性などは、そのための重要な土台になります。
そして2026年には、Google Search ConsoleでもSNSや動画コンテンツの検索パフォーマンスを確認できるPlatform propertiesがグローバルに提供されました。
これからのWeb制作では、
「ホームページを作って、SNSへリンクを貼って終わり」
ではなく、
「企業が持っている情報を、検索エンジンや複数の媒体から正しく理解・発見してもらえるように設計する」
という視点が、ますます重要になると考えています。
金風株式会社では、Webサイトの制作だけではなく、企業が持つ情報の整理や構造化、検索エンジンやAIを意識した情報設計についてもご相談いただけます。
「自社サイトとSNSの情報をもっと整理したい」「Google検索で会社の情報を正しく伝えたい」という方は、ぜひご相談ください。