弊社のコーポレートサイトを公開して約10日経過しました。
さらに追加で会社のブログを立ち上げて4日目に、GoogleのAI概要に弊社の会社名が表示されていることに気づきました。
先に結論を書いておきます。
これは、この方法を使えばAI概要に表示されるというわけではありません。
大治町という競合の少ない地域であったことなど、条件にも恵まれています。
ただ、実際にどのようなサイトを作り、公開時点で何を準備していたのかは、これからWebサイトを作る方にとって参考になると思います。
そこで今回は、実際の構成と、公開までに行ったことを記録として残します。
いったい何が起きたのか?
弊社が拠点とする大治町に関連する、
- 大治町 ホームページ制作
- ホームページ制作 大治
- ホームページ作成 大治
- 大治 ホームページ作成
といった検索語でGoogle検索を確認したところ、AI概要に弊社が紹介されていました。
通常のGoogle検索結果(AIによる概要)では、弊社「金風株式会社」は上位1番目に表示されています。


GoogleのAIモード検索結果では、弊社は上位1番目に表示されています。
パソコンでGoogle検索した場合の検索結果。

Yahoo Japanで「大治町 ホームページ制作」で検索した結果、「約576,000件」中で8番目に表示されています。
AI概要には、弊社について次のような説明が表示されていました。
「大治町を拠点に、AI時代に向けたSEO・AEO対応のWebサイト構築を行う」
この文章は、弊社の会社概要ページに記載していた内容とかなり近いものでした。
そのため、AIが弊社について何か新しい情報を発見したというより、Webサイト上に用意していた情報をもとに回答が生成された、と考えるのが自然だと思っています。
また、参照元としてブログの記事も表示されていました。
まだ公開したばかりのブログが、すでに検索やAI概要から参照されていることになります。
まず、条件を正直に書いておきます
この結果を紹介するうえで、最初に書いておかなければならないことがあります。
今回は、かなり条件に恵まれています。
弊社が拠点としている大治町は、名古屋市などの大都市圏と比べると「ホームページ制作」「Web制作」などの競合が多い地域ではありません。
実際に検索結果を見ると、近隣エリアの制作会社や、制作会社をまとめた比較サイトなどが中心でした。
これが「名古屋 ホームページ制作」のような競争の激しい検索語だったら、同じ期間で同じ結果になったとは考えていません。
つまり、
「10日でAI概要に表示された=誰でも10日で表示される」
という話ではありません。
ここはかなり重要です。
ただし、地域名を含む検索は、検索する人の目的が明確です。
「大治町でホームページを作ってくれる会社を探している」という人に見つけてもらえるのであれば、検索数そのものが大きくなくても、事業上の価値は十分にあります。
今回のWebサイトはどんな構成なのか
ここで、今回のサイト構成も公開しておきます。
コーポレートサイトは、HTMLによる静的ページを基本とし、独自のヘッドレスCMSを組み合わせています。
一方、ブログはDrupalで構築し、/blog以下で運用しています。
つまり、サイト全体を1つのCMSだけで構築しているわけではありません。
コーポレートサイトとブログで、それぞれの役割に合わせて構成を分けています。
このあたりの考え方については、 CMSは本当に必要か?|Gitで原稿を管理して静的生成する構成を考える でも詳しく書いています。
公開前に何を準備していたのか
では、AI概要に表示される前に何をしていたのか。
特別な裏技を使ったわけではありません。
やったことを一つずつ紹介します。
会社の情報を、正確かつ明確に記載した
まず、会社概要ページです。
会社名、所在地、事業内容、代表者、代表者の経歴、専門分野など、会社について知るために必要な情報をきちんと記載しました。
さらに、これらの情報を構造化データとしても記述しています。
構造化データは、ページに書かれている情報を検索エンジンなどの機械が理解しやすい形式で補足するための仕組みです。
ただし、ここは誤解しないでください。
「構造化データを入れたからAI概要に表示された」と断定できるわけではありません。
今回確認できたのは、構造化データを含めて情報を整理したサイトが、実際にAI概要から参照されたという事実です。
どの要素がどの程度影響したのかまでは、外部から正確に切り分けることはできません。
人物情報をサイト全体で一貫させた
もう一つ意識したのが、人物情報です。
会社概要ページに代表者の情報を記載し、ブログ記事にも著者情報を表示しています。
その際、同じ人物について別々の情報を大量に作るのではなく、サイト全体で同一人物として識別できるようにしています。
会社概要に記載された人物と、ブログ記事を書いている人物が同一人物であることを、機械にも理解しやすい構造にしておくわけです。
これはAI対策というより、そもそも「誰がこの情報を発信しているのか」を明確にするためのサイト設計です。
サイト内での位置を明確にした
パンくずリストも設置しています。
見た目として表示するだけではなく、構造化データとしても出力しています。
例えば、
「この記事はブログの中にあり、その中のどのカテゴリに属しているのか」
というサイト内での位置関係を明確にしています。
ページを単独で存在させるのではなく、サイト全体の構造の中に位置付けるという考え方です。
見出しだけで内容が分かるようにした
これも地味ですが、記事を書くときにかなり意識しています。
「はじめに」「考察」「まとめ」のような抽象的な見出しだけにするのではなく、その見出しを見ただけで、その下に何が書かれているのか分かるようにしています。
例えば、
「構造化データについて」
よりも、
「構造化データはAI検索に直接影響するのか」
のほうが、その下に何が書かれているのか明確です。
人間にとって読みやすいだけでなく、文章の構造そのものが明確になります。
記事ごとに概要文を設定した
ブログ記事には、本文とは別に短い概要文を設定しています。
この情報は、サイト内の一覧やメタ情報など、複数の場所で利用できます。
毎回きちんと概要を書くこと自体は、それほど大きな負担ではありません。
「本文を書いたから終わり」ではなく、その記事が何について書かれているのかを短く説明しておく。
これもサイト設計の一部だと考えています。
ブログはAI概要にどこまで影響したのか?
ここは自分でも気になっているところです。
今回のブログを公開したのは、AI概要に表示される数日前でした。
そのため、
「ブログを公開したことがAI概要への表示につながったのでは?」
と考えたくなります。
しかし、現時点ではそこまで断定できません。
AI概要に表示された説明文は、会社概要ページに記載していた内容とかなり近いものでした。
一方、参照元としてブログ記事も確認できています。
したがって、
- コーポレートサイトの情報
- ブログの記事
- サイト全体の構造
- 検索結果における評価
など、複数の情報が組み合わさった可能性があります。
ただし、どれがどの程度寄与したのかを外部から正確に測定することはできません。
ブログが果たした役割として考えられること
私は、ブログには少なくとも2つの意味があったと考えています。
1つ目は、サイトに継続的な情報が追加されたことです。
公開から約10日で7本の記事を追加しました。
会社概要だけが存在するサイトと、会社概要に加えて、その会社が実際に何を考え、何を作り、どんな知識を持っているのかを示す記事が複数あるサイトでは、得られる情報量が違います。
2つ目は、会社概要に書いた情報を記事が補足していることです。
例えば「Web開発26年」と会社概要に書くだけでは、それがどのような経験なのかまでは分かりません。
そこに実際の技術記事が7本あれば、少なくとも「この人物が実際にWebやITについて情報発信している」ということは確認できます。
これも、AI対策だけを目的に作ったものではありません。
本来のWebサイトとして、会社や人物について正確に伝えるためにやっていることです。
ただし、ブログの効果は切り分けられない
ここは何度でも書いておきます。
ブログがなかった場合にどうなっていたのかは、比較できません。
コーポレートサイトだけでもAI概要に表示された可能性があります。
逆に、ブログがなければ表示されなかった可能性もあります。
実際に同じサイトを2パターン用意して比較できない以上、因果関係を断定することはできません。
今回の記事で言えるのは、
「こういう構成でサイトを作り、こういう情報を準備していたところ、公開から約10日でAI概要に表示された」
という事実までです。
AEOのために特別なことをしたわけではない
こうして並べてみると、実はそれほど特殊なことをしていません。
- 会社情報を正確に書く
- 誰が情報を発信しているのか明確にする
- サイトの階層を整理する
- 見出しで内容を明確にする
- 記事ごとに概要を設定する
- 構造化データを適切に実装する
- 関連記事をつなぐ
どれも、Webサイトをきちんと作るのであれば基本的なことです。
「AEO」という言葉が登場すると、何か特別なテクニックが必要に思えるかもしれません。
しかし、少なくとも今回の事例では、AIだけを意識した裏技を使ったわけではありません。
人間が読んでも分かりやすく、検索エンジンにも情報の関係が伝わりやすいサイトを作った。
その結果として、AI概要にも情報が利用された。
私はこのくらいの捉え方が適切だと思っています。
もちろん、内容そのものが薄ければ、構造だけ整えても意味はありません。
実際には存在しない実績を構造化データに記載しても、価値のある情報にはなりません。
構造は中身を補助するものであって、中身の代わりにはならないからです。
今回の結果を過信してはいけない理由
AI概要は、検索するタイミングや検索条件などによって表示内容が変わることがあります。
一度表示されたからといって、今後も表示され続ける保証はありません。
また、GoogleがAI概要の生成や情報の選択に使う具体的な仕組みをすべて公開しているわけでもありません。
そのため、今回の記事で紹介している内容にも、私自身の推測が含まれています。
「この施策をやればAI概要に載る」というような保証付きのノウハウとして受け取らないでください。
さらに重要なのは、
AI概要に表示されることと、問い合わせが増えることは別問題
だということです。
認知されること。
サイトを訪問してもらうこと。
サービスを理解してもらうこと。
そして問い合わせにつながること。
これらは、それぞれ別に考える必要があります。
なぜ公開10日で表示されたのか
「10日」という数字は目を引くかもしれません。
ただし、ここから「Google検索は10日で評価される」と考えるのは危険です。
通常の検索順位は、検索語や競合状況、サイトの状態などによって大きく異なります。
今回は競合の少ない地域名を含む検索語だったこともあり、一般的なSEOの成果が出るまでの期間と単純に比較することはできません。
一方で、今回確認できたことはあります。
新しく公開したWebサイトでも、検索エンジンやAIが情報を認識し、回答に利用する可能性はある。
これは新規サイトを立ち上げる側にとって、興味深い事実だと思います。
「検索順位が上がるまで何も起こらない」と考える必要はありません。
まずは、検索エンジンやAIが理解できるだけの情報を、Webサイト上にきちんと用意しておくことです。
今回の経験から分かったこと
今回の経験を通じて、私が改めて感じたのは、SEOとAEOを別々の施策として考えすぎないほうがいいということです。
会社について知りたい人が必要な情報を探せる。
検索エンジンがサイトの構造を理解できる。
AIが会社や記事について情報を整理しやすい。
これらを同時に満たすようにサイトを設計する。
そのためには、デザインより前に、
- 何を伝えるのか
- どのページに何を書くのか
- 情報同士をどうつなぐのか
- 誰が発信しているのか
- 公開後にどう更新するのか
を決めておく必要があります。
これはAEOのためだけの話ではありません。
Webサイトそのものの設計の話です。
サイト設計については、 サイト設計とSEO・AEO|検索とAIの両方に見つけてもらう構造の作り方 で詳しくまとめています。
まとめ
Webサイト公開から約10日で、弊社がGoogleのAI概要に表示されました。
ただし、これは競合の少ない地域という条件もあり、誰でも同じ結果になるわけではありません。
実際に行っていたのは、会社情報や著者情報を正確に整理し、サイトの構造を明確にし、構造化データやパンくず、見出し、記事概要などを適切に実装することでした。
特別な裏技があったわけではありません。
むしろ、Webサイトとして当たり前のことを、機械にも理解しやすい形で丁寧に作ったというほうが近いと思います。
そして今回、一番伝えたいのはここです。
AIに見つけてもらうために、AIだけを見てサイトを作る必要はありません。
ユーザーにとって分かりやすく、検索エンジンにとって理解しやすく、AIにとっても情報の関係を読み取りやすい。
そういうサイトを最初から設計しておくことが重要です。
逆に言えば、公開後になってから「AI検索にも対応したい」と考えると、サイト構造そのものを見直す必要が出てくることがあります。
これからWebサイトを作るのであれば、デザインの前に「何を、どこに、どう伝えるか」を考えておくことをおすすめします。
自社サイトがGoogle検索やAI検索からどのように理解される構造になっているのか分からない場合は、サイト設計・SEO・AEOの観点から現状を整理するところからご相談いただけます。