XServerでWordPressを手動インストールしたり、サーバー上のファイルをコマンドで操作したりする場合、SSHを使えると作業の幅が大きく広がります。
SSH(エスエスエイチ)は、インターネット経由でサーバーに接続し、コマンドを使って操作するための仕組みです。
この記事では、SSHが初めての方を対象に、XServerでSSHを有効にする方法から、Windows・Macからの接続、公開鍵認証、基本的なコマンド、接続できない場合の確認方法まで順番に解説します。
FTPソフトを使ったファイル操作から一歩進んで、サーバーを直接操作してみたい方にもおすすめです。
SSHとは何か
SSH(Secure Shell)は、ネットワーク経由でサーバーに接続し、コマンドを使って操作するための通信プロトコルです。
SSHで接続すると、サーバー上でファイルやディレクトリを操作したり、プログラムを実行したり、設定を確認したりできます。
例えば、次のような操作ができます。
- ファイルやフォルダの確認・移動
- ファイルの作成・編集
- プログラムやコマンドの実行
- サーバー上の設定確認
- WordPressなどのソフトウェアの手動インストール
SSHでは通信内容が暗号化されるため、ネットワーク経由で安全にサーバーを操作できます。
FTPとSSHは何が違う?
FTPとSSHは、どちらもサーバーを操作するときに使われますが、役割が違います。
| 項目 | FTP | SSH |
|---|---|---|
| 主な用途 | ファイル転送 | サーバー操作 |
| 操作方法 | GUIソフトが中心 | コマンドが中心 |
| ファイル操作 | ○ | ○ |
| コマンド実行 | 基本的に不可 | ○ |
| サーバー管理 | 限定的 | ○ |
なお、FTPにも暗号化通信を利用するFTPSなどがあります。そのため、「FTPはすべて危険」という意味ではありません。
この記事で扱うSSHは、単にファイルを送受信するだけではなく、サーバーそのものをコマンドで操作できることが大きな特徴です。
XServerでSSHを有効にする
まず、XServerのサーバーパネルからSSHを有効にします。
- XServerのサーバーパネルにログインします。
- 「SSH設定」を開きます。
- SSHアクセスを「ON」にします。
- 設定を保存します。
SSHを有効にしたら、接続に必要な情報を確認します。
- ホスト名:例
sv12345.xserver.jp - ユーザー名:例
xs012345 - ポート番号:
10022
実際のホスト名やユーザー名は、ご利用のXServer環境によって異なります。
ここからは、WindowsとMacに分けて接続方法を説明します。
WindowsからXServerにSSH接続する
Windows 10以降では、標準のOpenSSHクライアントを利用できる環境が一般的です。
そのため、まずはPowerShellまたはコマンドプロンプトから接続してみましょう。
4-1. PowerShellを開く
Windowsのスタートメニューから「PowerShell」を検索して起動します。
起動したら、次の形式でコマンドを入力します。
ssh ユーザー名@ホスト名 -p 10022
例えば、次のようになります。
ssh xs012345@sv12345.xserver.jp -p 10022
初回接続時には、接続先を信頼するか確認するメッセージが表示される場合があります。
接続先が自分のXServerであることを確認したうえで、問題がなければ yes を入力します。
その後、パスワードの入力を求められます。
SSHでは、パスワードを入力しても画面上には文字が表示されません。何も入力されていないように見えても、入力自体は受け付けています。
パスワードを入力してEnterを押してください。
4-2. 接続できたか確認する
接続に成功したら、次のコマンドを実行してみましょう。
pwd
現在いるディレクトリが表示されれば、SSH接続は成功しています。
ファイルやフォルダの一覧を確認するには、次のコマンドを使います。
ls
まずは「接続する → コマンドを1つ実行する」というところまでできれば十分です。
MacからXServerにSSH接続する
MacにはSSH接続に必要なターミナルが標準で用意されています。
「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル」から起動できます。
ターミナルを開いたら、Windowsと同じように次のコマンドを実行します。
ssh ユーザー名@ホスト名 -p 10022
例えば、
ssh xs012345@sv12345.xserver.jp -p 10022
と入力します。
初回接続時には確認メッセージが表示される場合があります。
接続先を確認して問題がなければ yes を入力し、その後パスワードを入力します。
接続後に、
pwd
や
ls
を実行して、サーバーを操作できることを確認してみましょう。
毎回長いコマンドを入力しない方法
SSHを何度も使う場合、毎回ホスト名やポート番号を入力するのは面倒です。
そこで、SSHの設定ファイルで接続先を登録しておくと便利です。
Windowsの場合
Windowsでは、ユーザーフォルダの中に .ssh フォルダを用意します。
C:\Users\あなたのユーザー名\.ssh\
すでに .ssh フォルダが存在する場合は、そのまま使用できます。
その中に config という名前のファイルを作り、次のように記述します。
Host xserver HostName sv12345.xserver.jp User xs012345 Port 10022
保存後は、次のコマンドだけで接続できます。
ssh xserver
XServerを複数利用している場合も、接続先ごとに Host を分けて登録できます。
Macの場合
Macではターミナルから次のコマンドを実行します。
mkdir -p ~/.ssh nano ~/.ssh/config
次の内容を入力します。
Host xserver HostName sv12345.xserver.jp User xs012345 Port 10022
nano を使っている場合は、
Ctrl+X → Y → Enter
の順番で保存できます。
以後は、
ssh xserver
だけで接続できます。
公開鍵認証を使う
SSHでは、パスワードの代わりに「公開鍵認証」を利用することもできます。
公開鍵認証では、公開鍵と秘密鍵という2つの鍵を使います。
- 秘密鍵:自分のパソコンで管理する。第三者には渡さない
- 公開鍵:サーバー側に登録する
秘密鍵は非常に重要です。
秘密鍵のファイルを他人に渡したり、Web上に公開したりしないでください。
鍵を生成する
WindowsのPowerShellやMacのターミナルで、次のコマンドを実行します。
ssh-keygen -t ed25519 -C "XServer用"
保存場所を聞かれたら、特に変更しない場合はEnterで進めます。
パスフレーズも設定できます。
パスフレーズを設定しておけば、万が一秘密鍵ファイルが第三者に渡ってしまった場合でも、追加の保護になります。
作成される主なファイルは次の2つです。
id_ed25519:秘密鍵id_ed25519.pub:公開鍵
id_ed25519 は秘密鍵なので、絶対に他人へ渡さないでください。
公開鍵を確認する
MacやLinux系の環境では、次のコマンドで公開鍵を確認できます。
cat ~/.ssh/id_ed25519.pub
WindowsのPowerShellでは、次のコマンドでも確認できます。
Get-Content $env:USERPROFILE\.ssh\id_ed25519.pub
ssh-ed25519 から始まる1行の文字列が公開鍵です。
これをコピーして、XServerのサーバーパネルにあるSSHの公開鍵登録画面から登録します。
公開鍵を登録した後は、秘密鍵を使ってSSH接続できるようになります。
SSH接続後によく使うコマンド
SSHに接続できたら、まずは基本的なコマンドを覚えておくと便利です。
| コマンド | 用途 |
|---|---|
pwd | 現在いるディレクトリを確認 |
ls | ファイルやフォルダを一覧表示 |
cd フォルダ名 | ディレクトリを移動 |
cat ファイル名 | ファイルの内容を表示 |
mkdir フォルダ名 | フォルダを作成 |
exit | SSH接続を終了 |
例えば、現在の場所を確認してからファイル一覧を見る場合は、
pwd ls
と入力します。
XServer上でWordPressを手動インストールする場合も、こうしたコマンドを使って作業します。
実際にWordPressを public_html の外側へ配置する方法については、 WordPressのセキュリティを高めるインストール設計|SSHで手動構築する方法 で詳しく解説しています。
SSHに接続できないときの確認ポイント
SSH接続がうまくいかない場合は、次の項目を順番に確認してください。
- サーバーパネルでSSHが有効になっているか
- ホスト名が正しいか
- ユーザー名が正しいか
- ポート番号が
10022になっているか - パスワードを正しく入力しているか
- 公開鍵を利用する場合、正しい公開鍵が登録されているか
- 会社や学校などのネットワークでSSH通信が制限されていないか
特に初心者の方が間違えやすいのがポート番号です。
SSHでは一般的に22番ポートが使われますが、XServerでは接続時に 10022 を指定します。
例えば、
ssh xs012345@sv12345.xserver.jp -p 10022
のように指定します。
SSHを使えるようになると何ができる?
SSHは、単にFTPの代わりにファイルを操作するためだけのものではありません。
サーバー上でコマンドを実行できるため、Webサイトの構築や運用でできることが増えます。
- WordPressを手動でインストールする
- ファイルやディレクトリを操作する
- PHPやComposerなどのコマンドを実行する
- ログや設定を確認する
- バックアップや移行作業を行う
- サーバー上のプログラムを実行する
特に、WordPressを「簡単インストール」に任せるのではなく、自分で構成を管理したい場合にはSSHが重要になります。
まとめ
XServerへのSSH接続は、最初はコマンド入力に慣れないため難しく感じるかもしれません。
しかし、基本的な流れはシンプルです。
- XServerでSSHを有効にする
- ホスト名・ユーザー名・ポート番号を確認する
- WindowsならPowerShell、Macならターミナルを開く
ssh ユーザー名@ホスト名 -p 10022で接続する- 必要に応じてconfigや公開鍵認証を設定する
まずはSSHで接続して、pwd や ls を実行してみてください。
それだけでも、普段FTPソフトから見ているサーバーを、別の角度から理解できるようになります。
SSHを使えるようになると、WordPressの手動インストールやサーバー移行など、Webサイトの運用でできることも増えていきます。
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